AI時代の思考方法を考える

現在AI社会にて、AIにはできない発想法を考えてみる

思い出すためのマップづくり

My Favorite Application

2014年10月、私はMOS-PowerPoint 2010(PPT)を957点(1000点満点)で取得しました。 PPTのテストは、驚くほど難しいものではありませんでした。そもそも機械や建築業界向けにCADシステムを教えていたから。PPTはバージョンアップを続けていますが、徐々にCADの機能が採用されているようにも思えます。将来、3次元PPTのようなものが出てくるのかもしれません。私は時折、 "文書、表計算、プレゼンテーションなどのビジネスアプリケーションを覚えるのに、どんなシステムが良いのですか?"という質問を受けることがありますが、私は、躊躇せずPPTをお勧めしています。

2001年に、研究の一環として大学院生に「思考環境とMS-Officeアプリケーション」というアンケートを実施しました。その理由は、Wordで論文を書く人はExcelを好まず、Excel表計算をする人は、文書をExcelを使って書く、ということが奇妙に思えたからです。

 この不可思議な状況を、SOM(自己組織化マップ)を活用して解明してみました。その結果、「パワーポイントを習得した人は《Word》《Excel》《統合的活用》のスキルも持っている、という仮説を思いつくことができました。調査以来、この仮説について実証実験を行っています。

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その後、4年間、大学院生の要望に応じて、Wordの裏技やPowerPointの機能メカニズムを中心とした自主講義「論文作成のための講座」を実施しました。一日の講義の終了後の忙しい時間にも関わらず、多くの院生の方が参加したことから、少しは役に立ったのかもしれません。

 

Intelligent based Modeling

2000年以来、世界を取り巻く課題はこれまで以上に複雑になってきています。これらの問題を解決するためには、様々な分野の知識を取り入れる必要があります。私は情報の整理整頓とともに、知り得た知識を記憶に残す方法について考えたかった。

世界の状況をつかみ取るためには、その前にいろいろな国の文化や歴史、関係性を知ることが重要です。しかし、西洋文化の基盤ともなる「旧約聖書」から「エジプト文明」、さらには「ギリシャ神話」に至るまで、工学系の私にとって非常に理解しづらい物語でした。

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Reminder Symbol for the Model

しかし、複雑なストーリーは、まず重要な点を抽出し、そして不要な情報を捨て、整えていくことで、驚くほど理解しやすくなることがわかりました。こうして、ギリシャ神話のパワーポイントによる一覧図(いうなれば地図)が完成しました。Googleなどの検索システムで「ギリシャ神話 図解」キーワードにて画像検索すると、最上位付近に位置されることことから、数多くの方々に閲覧されているものと思います。

 とはいえ、わたしにはこのマップはあまりにも情報が多すぎることから、をすばやく覚えることができません。そこで、複雑な物語、制度、関係を記憶に残す方法を考案してみました。イメージをメタファとして凝縮し、個人の記憶容量を減らすことによって、より多くの知識を得ることができるようです。

覚えた知識は、深い無意識層に置き、そして忘れる。やがて、深い記憶の中で小さな揺らぎが起こり、創発的にアイデアがひらめくのかもしれません。「想い出せるならば、忘れた方がいい」。そう思うのです。これからの仕事や学習の方法の一つとして、活用されることを期待したいところです。

AI技術の得意技は、学習することにより演繹法または帰納法的に答えを引き出すことと考えます。これとは異なる推量(アブダクション)的な思考法は、ますます複雑化する現代社会の思考法として、今後も注目されていくのではないでしょうか。

 

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